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AI Weekly 2025-05-15

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VS Code 1.100のエージェント・MCP強化、Cursor 0.5.0の新価格体系とバックグラウンドエージェント、GPT-4.1のCopilot・ChatGPT対応、Gemini 2.5のimplicit caching、Gemini AdvancedのGitHub連携、Google SheetsのGemini自動化、AI Overviews UX調査、VercelのMCPサーバー対応について。

Table of Contents
  1. # GPT-4.1がChatGPTで利用可能に
  2. # Gemini 2.5の暗黙的なキャッシュ
  3. # MicrosoftがAgent2Agent(A2A)プロトコルのサポートを発表
  4. # OpenAIがアジアでデータレジデンシーを導入
  5. # AlphaEvolve発表、自らアルゴリズムを改善するAIエージェント
  6. # Google AI OverviewsのUX調査結果が公開
  7. # GitHub CopilotでGPT-4.1がデフォルトモデルに
  8. # Cursor 0.5.0リリース、価格体系刷新と新機能追加
  9. # 統一価格体系とMax Mode
  10. # Background Agent
  11. # 新Tabモデル
  12. # インライン編集のUI刷新
  13. # コードベース全体の文脈対応とマルチルートワークスペース
  14. # チャットのエクスポート・複製
  15. # Visual Studio Code 1.100リリース
  16. # MCPによるstreamable HTTP・画像対応
  17. # プロンプト・インストラクションファイルによるカスタマイズ
  18. # エージェント編集時の自動フォローアップ提案(Autofix diagnostics)
  19. # 会話要約・プロンプトキャッシュ
  20. # #githubRepoツールによるリポジトリ検索
  21. # #extensionsツールによる拡張機能検索・インストール
  22. # AIによるセマンティックテキスト検索(実験的)
  23. # Next Edit Suggestions(NES)モデル
  24. # AIによるHTML/Markdownのaltテキスト自動生成
  25. # Google SheetsでGeminiによる高度なアクションが可能に
  26. # VercelがMCPサーバーのサポートを開始
  27. # Gemini AdvancedがGitHub連携に対応

GPT-4.1がChatGPTで利用可能に

日付:2025年5月15日

OpenAIがGPT-4.1をChatGPTで直接利用可能にしたと発表。

出展:OpenAI on X

Gemini 2.5の暗黙的なキャッシュ

日付:2025年5月8日

GoogleがGemini 2.5モデルでimplicit cachingを導入。これにより、明示的なキャッシュ設定を行わなくても、リクエストの先頭部分が過去のリクエストと共通していれば自動的にコストが削減される。2.5 Flashは1024トークン、2.5 Proは2048トークンからキャッシュ対象となり、usage metadataにはcached_content_token_countが追加された。明示的キャッシュAPIも引き続き利用できる。

出展:Gemini 2.5 Models now support implicit caching

MicrosoftがAgent2Agent(A2A)プロトコルのサポートを発表

日付:2025年5月7日

MicrosoftがAzure AI FoundryやCopilot Studioで、オープンなAgent2Agent(A2A)プロトコルのサポートを発表。A2Aにより、異なるクラウドやプラットフォーム、組織をまたいでAIエージェント同士が安全かつ柔軟に連携できるようになる。エンタープライズ向けのガバナンスやセキュリティも重視されており、今後のマルチエージェントシステムの基盤として期待されている。

出展:Empowering multi-agent apps with the open Agent2Agent (A2A) protocol

OpenAIがアジアでデータレジデンシーを導入

日付:2025年5月

OpenAIがアジア地域でデータレジデンシーを正式に導入。これにより、アジアのユーザーはデータを地域内に保管できるようになり、法規制やプライバシー要件への対応が強化される。企業や開発者にとって、より柔軟で安心なAI活用環境が整う。

出展:Introducing data residency in Asia

AlphaEvolve発表、自らアルゴリズムを改善するAIエージェント

日付:2025年5月14日

Google DeepMindが、Geminiモデルを活用した新しいコーディングエージェント「AlphaEvolve」を発表。AlphaEvolveは大規模言語モデルの創造性と自動評価システムを組み合わせ、数学や計算機科学の複雑な問題に対して新しいアルゴリズムを自律的に発見・最適化できる。GoogleのデータセンターやAIトレーニング、チップ設計など実際の現場でも効率化に貢献しており、今後は学術や産業分野への応用も期待されている。

AlphaEvolveはGemini Flashで多様なアイデアを幅広く探索し、Gemini Proでより深い洞察や最適化を行う仕組み。実際に、Googleのデータセンターのスケジューリング効率を高める新しいヒューリスティックや、行列積アルゴリズムの高速化、AIトレーニングのカーネル最適化など、複数の分野で従来を上回る成果を上げている。

出展:AlphaEvolve: A Gemini-powered coding agent for designing advanced algorithms

Google AI OverviewsのUX調査結果が公開

日付:2025年5月12日

GoogleのAI Overviews(AIO)に関する初の大規模UX調査で、AIOが表示されるとデスクトップの外部クリック率は約3分の1、モバイルでも半分近くまで低下することが判明。ユーザーの7割はAIOの上部3分の1しか読まず、88%が「もっと見る」をクリックしても平均スクロールはパネル全体の30%にとどまる。25~34歳のモバイルユーザーはAIOを最終回答とする割合が2件に1件と高い一方、年齢や検索意図によっては従来のリンクを重視する傾向も残る。AIO後のクリック先はRedditやYouTubeなどコミュニティや動画が多く、ブランドや権威性が信頼獲得の鍵となっている。

出展:The first-ever UX Study of Google’s AI Overviews: The Data We’ve All Been Waiting For

GitHub CopilotでGPT-4.1がデフォルトモデルに

日付:2025年5月8日

GitHub CopilotでOpenAIのGPT-4.1が新たなデフォルトモデルとして一般提供開始。従来のGPT-4oから置き換わり、コーディングや指示追従、理解力が大幅に向上した。Copilot ChatやEdits、エージェントモードで利用でき、開発現場での実用性がさらに高まっている。GPT-4oも引き続き選択可能だが、90日後に廃止予定。

出展:OpenAI GPT-4.1 is now generally available in GitHub Copilot as the new default model

Cursor 0.5.0リリース、価格体系刷新と新機能追加

日付:2025年5月10日

Cursor 0.5.0がロールアウト開始。今回のアップデートでは、価格体系の刷新や複数の新機能追加が行われた。

出展:Cursor Changelog

統一価格体系とMax Mode

従来のプランごとの複雑な料金体系を廃止し、リクエストベースのシンプルな価格体系に移行。全モデルでMax Modeが利用可能となり、トークンベースの課金で最大限の性能を引き出せる。長文や複雑なタスクにも柔軟に対応できるようになった。

Background Agent

エージェントをバックグラウンドで並列実行できる新機能がプレビューとして追加。複数のエージェントが同時にタスクを処理できるため、大規模な修正や調査、ドラフト作成などの効率が向上。エージェントの状態確認やフォローアップも可能。

バックグラウンドエージェントは、Cursor社のAWSインフラストラクチャ内で実行される。

新Tabモデル

複数ファイルにまたがる編集やリファクタリング、関連ファイル間のジャンプに強い新Tabモデルを搭載。提案の自然さや応答速度も向上し、日常的な編集作業がより快適になった。

インライン編集のUI刷新

インライン編集(Cmd/Ctrl+K)のUIが刷新され、全ファイル編集やエージェント連携など新オプションが追加。長いファイルの編集も高速化され、部分的な編集や複数ファイル対応が容易になった。

コードベース全体の文脈対応とマルチルートワークスペース

@foldersでコードベース全体を文脈に含めることが可能に。大規模プロジェクトや複数リポジトリを横断した作業がしやすくなった。マルチルートワークスペースにも対応し、複数のプロジェクトを同時に管理できる。

チャットのエクスポート・複製

チャット内容をMarkdown形式でエクスポートできるようになり、会話の複製機能も追加。異なるアプローチを試したい場合や記録を残したい場合に便利。

Visual Studio Code 1.100リリース

日付:2025年5月8日

VS Code 1.100はエージェントモードやチャット、検索、編集体験の各面で大幅な強化が行われたバージョン。AI活用や拡張性、操作性がさらに向上している。

出展:VS Code 1.100リリースノート

MCPによるstreamable HTTP・画像対応

MCP(Model Context Protocol)でStreamable HTTPや画像生成に対応。エージェントモードやチャットでサーバーベースのツールや画像生成が利用できるようになった。

{
  "servers": {
    "my-mcp-server": {
      "url": "http://localhost:3000/mcp"
    }
  }
}

参考:Use MCP servers in VS Code (Preview)

プロンプト・インストラクションファイルによるカスタマイズ

Markdownベースのプロンプトファイル(.prompt.md)やインストラクションファイル(.instructions.md)でAIの挙動を柔軟に制御可能。Front MatterでapplyTodescriptionを指定でき、コマンドパレットやエディターから直接実行できる。

.prompt.mdの例:

---
mode: 'agent'
tools: ['getCurrentMilestone', 'getReleaseFeatures', 'file_search', 'semantic_search', 'read_file', 'insert_edit_into_file', 'create_file', 'replace_string_in_file', 'fetch_webpage', 'vscode_search_extensions_internal']
---
Generate release notes for the features I worked in the current release and update them in the release notes file. Use [release notes writing instructions file](.github/instructions/release-notes-writing.instructions.md) as a guide.

.instructions.mdの例:

---
applyTo: '**/*.ts'
---
Place curly braces on separate lines for multi-line blocks:
if (condition)
{
  doSomething();
}
else
{
  doSomethingElse();
}

エージェント編集時の自動フォローアップ提案(Autofix diagnostics)

エージェントモードで編集時にエラーが発生した場合、自動でフォローアップの修正提案が表示されるようになった。github.copilot.chat.agent.autoFixで制御可能。

会話要約・プロンプトキャッシュ

長時間のエージェントセッションでも快適に利用できるよう、会話の要約やプロンプトキャッシュ機能が追加。

#githubRepoツールによるリポジトリ検索

Copilot Chatから#githubRepoツールを使い、ローカルで開いていない任意のGitHubリポジトリを直接検索可能。

カスタムインストラクション.instructions.mdで使用に関するヒントを示すことも可能。

---
applyTo: '**'
---
Use the `#githubRepo` tool with `microsoft/vscode` to find relevant code snippets in the VS Code codebase.
Use the `#githubRepo` tool with `microsoft/typescript` to answer questions about how TypeScript is implemented.

#extensionsツールによる拡張機能検索・インストール

Copilot Chatから#extensionsツールを使い、Marketplaceの拡張機能を検索・インストールできるようになった。

AIによるセマンティックテキスト検索(実験的)

AIによるキーワード提案を活用したセマンティックテキスト検索が実験的に追加。関連コードの発見が容易に。

github.copilot.chat.search.keywordSuggestionsで制御可能。

Next Edit Suggestions(NES)モデル

NESがデフォルトで有効化された。github.copilot.nextEditSuggestions.enabledで制御可能。また新しいNESモデルにより、より高速かつ高精度な編集提案が可能になった。

またgithub.copilot.nextEditSuggestions.fixesを有効化すれば、NESがJavaScriptおよびTypeScriptファイルで不足しているインポート文の追加を自動的に提案する。

AIによるHTML/Markdownのaltテキスト自動生成

AIがHTMLやMarkdownの画像に対してaltテキストを自動生成。アクセシビリティ向上に寄与。Ctrl+.または

Google SheetsでGeminiによる高度なアクションが可能に

日付:2025年5月13日

Google SheetsでGeminiを使い、ドロップダウンリストやピボットテーブル、フィルタなどの高度なアクションを素早く追加できるようになった。従来は手作業で設定していた複雑な表操作も、Geminiの提案を活用することで効率化できる。

この機能は、Google WorkspaceのBusiness Standard/Plus、Enterprise Standard/Plus、Gemini EducationまたはGemini Education Premiumアドオン、Google One AI Premiumで利用可能。

出展:Use Gemini in Google Sheets to quickly add dropdowns, pivot tables, filters, and more

VercelがMCPサーバーのサポートを開始

日付:2025年5月7日

VercelがModel Context Protocol(MCP)サーバーのデプロイと運用に正式対応。Node.jsやNext.jsアプリからMCPサーバーを簡単に構築できる@vercel/mcp-adapterパッケージも公開され、HTTPやOAuth対応の新しいプロトコルもサポート。Fluid computeによるコスト削減やAI推論・エージェントワークロードの最適化も可能になった。

出展:MCP server support on Vercel

Gemini AdvancedがGitHub連携に対応

日付:2025年5月

Gemini AdvancedがGitHubとの連携機能を追加。パブリック・プライベート問わずGitHubリポジトリを直接接続し、関数の生成・修正、複雑なコードの解説、コードベースに関する質問やデバッグなどが可能になった。プロンプトバーの「+」ボタンから「import code」を選び、GitHubのURLを貼り付けるだけで利用できる。

出展:GeminiApp on X