自分のデザインを説明する
自分のデザインの説明責任を果たすことの大切さ、説明責任とアブダクションラインについて
次の記事に感銘を受けて書いている。私が今まで緩く考えてきたことが、完璧に言語化されていると感じた。
以前から、デザイナーの採用などに関わると「デザインのどの部分を聞かれても、なぜそれがそうなのかを具体的に説明できること」が良い指標になるという話をしてきた。
これは、私が御茶ノ水の出版社でイラストを書いたり台割をしていたときに、上司から「なぜここは寒色なんですか?」「なぜここは角丸なんですか?」「なぜここは・・・?」「なぜ・・・?」と事細かに聞かれ、説明出来なければ問答無用でやり直しにさせられていた経験に基づいている。最初は特に説明もなく辛かったが、最終的に出来たものは確かに質が向上しているように感じたし、後に「説明出来ないものは(顧客にとって)価値がない」といった話を聞かされたときは、確かにそうかもなと思った。また後に自身が尊敬しているデザイナーの方々も似たようなことを語っていて、この認識は補強されていった。
直近だとOOUI本がこの認識を補強してくれた。全体的に補強するような内容だと感じるが、特にアブダクションラインは正しく補強する内容だと思う。
アブダクションラインについてOOUI本の著者は優れた実践者が共通して行っていると述べた上で、次のように語っている。
デザイナーの逆推論=アブダクションラインのイメージ。デザイナーは抽象から段階的に選択をして最終的な具象に到達するのではない。一気に尤もらしい具象を掴み、そこから最初の抽象へとリバースエンジニアリングのパスを通す。形が先にあり、ロジックは後から見出されるのである。 - https://x.com/manabuueno/status/1150082064609267712
ここで、デザイナーが説明責任を果たそうとすると強制的にアブダクションラインは発生するということが分かるだろうか。
説明責任を果たすことで優れた実践者(デザイナー)を模倣できるということだと私は考えている。