Spanner Omni、オンプレとマルチクラウド向けのダウンロード版 Spanner
Google Cloud は、フルマネージド Spanner のコア能力を自社管理で使える Spanner Omni をプレビューで公開し、既に Spanner や分散 SQL を選んでいるチーム、ハイブリッドとマルチクラウドで事業継続とデータ主権を両立させたい組織、SaaS や ISV で顧客環境に合わせた単一のデータ層を求める開発者に向けた選択肢を広げた。VM、Linux コンテナ、Kubernetes 上で構成でき、オンプレ、マルチクラウド、マルチリージョン、低レイテンシ向けのハイブリッド、ネットワーク分離・接続の両方といった形態、単一サーバーから数千台規模のクラスターまでスケールの幅を扱う。
Spanner で既に扱うリレーショナル、グラフ、キーバリュー、全文・ベクトル検索、オペレーショナル分析など、マルチモデルをそのままオンプレや他リージョンに展開しやすい。マネージド Spanner を Google Cloud 上の主系とし、Spanner Omni を他クラウドやオンプレにホット/コールド系のフェイルオーバ先に置く構成や、法域の制約下で多地点の高可用性を取りに行く、オンプレ資産上で従来型 DB からの置き換えを進める、といった用途が挙げられている。
中核のレプリケーションは Paxos ベースの同期レプリであり、大規模分散向けのシャーディングも引き継ぐ。従来 Spanner の Google 専用コンポーネントに当たる部分は、分散ファイル層を接続先のローカルファイルシステムに対応した抽象層に置き換え、象徴的な時刻基盤 TrueTime もソフトウェア主導の実装で再設計し、展開先サーバー同士の誤差範囲付きの時刻整合を揃えている。社内のベンチマークでは単一リージョン構成でペタバイト級データに対し秒あたり数百万件規模のクエリ処理を示したとする。
Spanner Omni デベロッパー エディションはプレビューで配布が始まり、非商用の非本番向けの評価・テストに Spanner の中核を使える。提供条件は 90 日の利用枠、本番・事業用の利用禁止、エンタープライズ向けの一連のセキュリティ機能の未同梱、バックアップ・復元や監査ログの未提供を含む枠付けで示される。商用導入は専用のコンサルティング窓口に案内され、配布物の取得は Spanner Omni のドキュメントに掲示されたダウンロード導線に従う。