Google AI Studio Starter Tier、決済情報不要の試作デプロイ
Google AI Studio の Starter Tier は、Build Mode で組み立てた試作をクレジットカードや Cloud Billing アカウントなしで公開 URL まで届けるための枠である。Google が裏側で完全管理の Starter Tier プロジェクトをプロビジョニングし、リージョン選択・API 有効化・セキュリティポリシーを代行する。対象は個人 Google アカウントで、Google AI Studio の提供地域内に限られる。企業・教育向け Google Workspace アカウントは組織ポリシーで制限される場合がある。Starter Tier リソースは標準の Google Cloud 利用規約ではなく Starter Tier Additional Terms の対象である。
Build Mode から Publish すると、Cloud Run(HTTP 受け口)、Firebase Authentication(Google Sign-In 事前設定)、Cloud Firestore、Cloud SQL for PostgreSQL Developer edition がアプリ構成に応じてオンデマンドで配線される。Cloud Run はアイドル時にゼロへスケールダウンし、コンテナ内のローカルディスクは一時的である。永続データは Firestore か Cloud SQL に置く必要がある。AI Studio が再デプロイするたびにコンテナが差し替わるため、ディスク直書きは失われやすい。
Starter Tier と Free Trial
| 項目 | Starter Tier | Free Trial |
|---|---|---|
| 提供内容 | Cloud Run・Firestore・Cloud SQL for PostgreSQL Developer edition・Firebase Authentication の事前配線スタック(各製品に上限付き) | 300 米ドルの Welcome クレジット、Google Cloud Free Tier、製品別無料試用、90 日間の探索 |
| 必要なもの | Google アカウントと Starter Tier Additional Terms の同意 | Google Cloud 利用規約の同意と不正利用防止のための支払い手段 |
| 期限 | なし | 90 日 |
| プロジェクト | Google 管理 | 利用者がフル制御 |
| コンソール | ログ・メトリクス等に絞った簡易表示 | フル Google Cloud コンソール |
| 向いている用途 | AI Studio からの試作公開 | BigQuery や GKE など広い GCP 評価 |
Starter Tier プロジェクトでは BigQuery や Pub/Sub など追加 API を有効化できず、リージョンも最初のプロビジョニング時に固定される。未対応製品へ進むと Free Trial への案内が出る。
上限とクォータ
Cloud Run では Google アカウントあたり同時に稼働できる Web アプリが 2 本までである。差し替えは AI Studio 上で上書きデプロイし、Cloud Console からサービスを手動削除する運用は避ける想定である。Starter Tier では Cloud Run の最大インスタンス数は 1 に固定される。
Cloud SQL for PostgreSQL Developer edition を使うアプリも最大 2 本までで、上限超過時は AI Studio エージェントが Firestore へフォールバックする。
Google AI Studio エージェントが作成した Firestore データベースは、1 つの shared-quota グループでクォータを共有する。いずれかが日次上限に達すると、グループ内の全データベースが太平洋時間のおおよそ深夜まで一時停止する。Firebase Authentication の利用は別計量である。
| 指標 | Starter Tier 上限 |
|---|---|
| 保存データ合計 | 1 GiB |
| ネットワーク egress | 月 10 GiB |
| 書き込み | 日 40,000 回 |
| 読み取り | 日 50,000 回 |
| リアルタイム更新 | 日 50,000 回 |
有料アカウントへの移行
AI Studio の Projects ページから Set up billing を選ぶと、同一プロジェクト内で Cloud Billing アカウントと支払い手段を結び、標準 Google Cloud 利用規約へ移行できる。ダウンタイムなしで Cloud Run サービスとデータベース、.run.app URL は維持される。初回請求アカウント作成の資格があれば 300 米ドルの Welcome クレジットが付与される。移行後は IAM のフル制御、任意 API の有効化、全リージョンとスケール設定が使える。
請求追加後も AI Studio 経由の Firestore は shared-quota グループに残る。データベース単位で枠を増やすには Firebase コンソールで Upgrade database を実行し、標準課金へ移す必要がある。