Cursor は TypeScript SDK と Python SDK に、本番スクリプト・CI・カスタム統合向けの機能追加と修正をまとめて公開した。エージェント状態の保存先を選べるようになり、関数定義だけで独自ツールを公開でき、ローカル SDK エージェントのツール呼び出しを自動レビューに回せる。サブエージェントは任意の深さまで入れ子にできる。

#カスタムツール

Agent.create() または send() のたびに local.customTools で関数定義を渡すと、ローカルエージェントに独自ツールを持たせられる。SDK は組み込み MCP サーバー custom-user-tools 経由で公開するため、モデルは他の MCP ツールと同じ経路・同じ権限ゲートでコードを呼び出す。

以前は stdio またはリモート HTTP の MCP サーバーを立ち上げて接続する必要があった。カスタムツールは親エージェント配下のすべてのサブエージェントからも参照できる。

#自動レビュー

ローカル SDK エージェントは既定で承認なしにツール呼び出しを実行する。ヘッドレス実行では人間が介在しないためである。local.autoReview を設定すると、レビューを完全に迂回せず、分類器が自動実行と保留を振り分ける。

分類器は permissions.json の自然言語 instructions で調整できる。autoRun.allow_instructions に許可寄りのパターン、autoRun.block_instructions に保留したい操作を書く。たとえば ./dist 配下の読み取り専用確認は許可し、削除操作は常に一時停止する、といった制御が可能である。

#JSONL とカスタムストア

両 SDK はプロセス再起動後にエージェントを再開できるよう、エージェントと実行メタデータを永続化する。これまで SQLite が既定だったが、JSONL ストアを選べるようになった。プレーンな追記専用ファイルに書き込むため、読み取り・diff 確認・version control へのチェックインがしやすい。SqliteLocalAgentStoreJsonlLocalAgentStore は直接エクスポートされる。

既定のどちらも合わない場合は public な LocalAgentStore interface を実装し local.store で渡せる。CI 向けのインメモリストアや Postgres への永続化なども想定されている。Python SDK は host・JSONL・composed JSONL ストアを bridge 経由で公開する。

#ネストされたサブエージェント

サブエージェントが自身のサブエージェントをさらに生成できる。各階層は独自のプロンプトとモデルを持つ。特別な有効化設定は不要で、サブエージェントを定義するエージェントでは Task 呼び出し用のエグゼキューター登録により自動的にネストが機能する。

#信頼性・パフォーマンス・プラットフォーム

主な変更点は次のとおり。

  • 実行の相関付け: すべての send() にプラットフォーム生成の requestId が付与され、RunRunResult および各ストアに保存される。
  • ローカル wait() の信頼性: ターミナル結果が書き込まれる前に wait() が完了する問題を修正した。Hydration は実行が最終状態に達するまで更新を続ける。
  • dispose 時のチェックポイント: ルート参照がなくチェックポイント blob が残る場合、破棄時にデータを削除しない。
  • Cloud ストリーミング: HTTP/1.1 transport 上でもクラウドエージェントセッションが正しくストリーミングされる。
  • 軽量 import: @cursor/sdk の import 時にローカルエージェントスタック全体を即読み込みしない。最初のローカル呼び出し時に一度だけコストが発生する。
  • TypeScript 型: 公開 .d.ts が未公開 workspace パッケージを参照せず、skipLibCheck: false 環境の TS エラーを解消する。
  • バンドル版 ripgrep: ローカルシェル実行でバンドル rg を使い、Windows では Path 変数を壊さない。
  • モデル: 廃止された composer-2 slug は Composer 2.5 に自動ルーティングされる。
  • Python SDK: list_runs が省略可能な cwd を受け取り、not-found エラーを明確化。cursor-sdk 0.1.6 で Buildkite リリース経路を文書化し、利用状況を sdk-python- ラベルで追跡できる。

アップグレードは npm install @cursor/sdk または pip install cursor-sdk で行う。composer-2 固定スクリプトは Composer 2.5 へ自動移行し、requestId は実行メタデータスキーマへ後方互換で追加できる。

#参考文献